恋人がB型肝炎を患っていた場合に、「自分にも感染しているのではないか?」と不安になりますよね。
実際に、B型肝炎は他人に感染する病気ですので、恋人のようにキスや性行為を伴う相手には注意しなければいけません。
そこで本記事では、どの程度の接触で感染してしまうのか?について解説します。
「感染しているかもしれない」と慌てずに、記事を参考に行動を進めてください。
B型肝炎はキス・性行為で感染する?
パートナーがB型肝炎を患っていた場合に、スキンシップをためらってしまうかもしれませんが、過度の心配は不要です。
なぜなら、軽いスキンシップではB型肝炎は感染しないからです。
ただし、性行為や深いキスの場合は感染する可能性があります。
以下では、どのような場合に感染する可能性があるのか、解説します。
軽いキスではほとんど感染しない
唇を触れ合わせるような軽いキスであれば、B型肝炎感染の心配はありません。
B型肝炎は、粘膜の接触を通じて感染するためです。
唇が触れる位のキスで粘膜の接触が起きるとは考えにくいので、過度な心配は必要ないと言えます。
ただし、唾液による感染は起こりうるので、100%感染しないとは言い切れません。
濃厚なキスは感染の恐れあり
ディープキスの場合は、感染する恐れがあります。
ディープキスによって感染者の唾液が口内に入るからです。
B型肝炎ウイルスは唾液に含まれているので、ほとんどのケースで感染すると考えてよいでしょう。
性行為は感染の可能性大
性行為による感染可能性は、とても高いです。
なぜなら、B型肝炎ウイルスは、唾液・月経血・膣分泌液・精液などに含まれているからです。
オーラルセックスでも感染する可能性があるので、感染者と性行為をする際には一つひとつの行為に注意してください。
回し飲みによる間接キスでの感染リスク
回し飲みによる間接キスの感染リスクは、過度に心配する必要はありません。
B型肝炎ウイルスは唾液を介して感染しますが、回し飲み程度の微量な接触であればほとんど感染しません。
しかし、100%と感染しないとは言い切れませんので、注意はしてください。
空気感染の可能性は極めて低い
B型肝炎ウイルスは、空気感染・飛沫感染はしません。
基本的には、血液や体液によって感染します。
くしゃみや咳による空気感染もありませんので、同じ部屋で過ごす分には何ら問題はありません。
風呂やプール等の感染は極めて低い
お風呂やプールなどによる感染は極めて低いです。
感染者の血液や体液が水に溶け込む可能性は考えられますが、感染する可能性はほとんどないと考えてよいでしょう。
これらを原因とする感染例の報告もありませんので、日常生活でお風呂やプールに制限を設ける必要はありません。
そのほかB型肝炎の主な感染経路
上記のほか、日常生活でB型肝炎の感染可能性があるのは、激しい接触を伴い、傷ができるようなスポーツです。
たとえば、相撲やラグビーのようなスポーツは、負傷した傷口から血液や汗が触れることで感染する可能性があります。
また、子ども同士の遊びで傷ができたことによる感染例も報告されています。
キスや性行為などでのB型肝炎感染を予防する方法
B型肝炎は、空気感染・飛沫感染の可能性は低いので、必要以上に気を配らなくても大丈夫です。
ただし、パートナーと同棲していたりスキンシップをとったりする場合には、以下の対策をおこなってください。
- 感染者が出血しているときには性行為やキスは控える
- 性行為はコンドームを使用する
- 歯ブラシやヒゲそりを共有しない
上記の対策をおこなわない場合のリスクについて、以下で解説します。
感染者が出血しているときには性行為やキスは控える
感染者が出血しているときは、スキンシップを控えてください。
なぜなら、B型肝炎は血液から感染する可能性が高いからです。
ですから、感染者が唇や歯茎から出血している場合は、軽いキスもNGです。
性行為はコンドームを使用する
性行為の際は、必ずコンドームを使用してください。
ここまでで解説したように、性行為はB型肝炎感染の可能性が非常に高いです。
唾液・膣分泌液・精液などが感染経路となりますので、コンドームを使用して感染を防ぐようにしましょう。
ただし、コンドームを使用したからといって、完全に予防できるわけではありません。
歯ブラシやヒゲそりを共有しない
体液や血液が付着するものは、感染のリスクが高いため、共有しないでください。
たとえば、歯ブラシやヒゲそりです
そのほか、体液や血液が付着する可能性が高いものは共有せず、付着部分を触ったり同じ場所に保管したりしないように注意しましょう。
B型肝炎の診断方法
もしここまでで解説した行為をおこなってしまっているのであれば、B型肝炎の診断を受けてください。
自覚症状がなくとも、B型肝炎に感染している可能性があります。
以下でB型肝炎の診断方法について解説しますので、少しでも心配な場合は検査を受けてみてください。
B型肝炎ウイルス表面抗原の検出
B型肝炎の診断では、血液検査がおこなわれます。
血液検査によって、急性肝炎と慢性肝炎の識別も可能です。
- 急性肝炎とは…成人が初めてB型肝炎ウイルスに感染して発病したもの
- 慢性肝炎とは…B型肝炎ウイルスが原因で6カ月以上持続する肝臓の炎症
検査は、B型肝炎ウイルス表面抗原(HBs抗原)の検出によっておこないます。
HBs抗原が陽性であれば、感染していることになります。
主な検査方法として、以下の2つを解説します。
B型肝炎ウイルス表面抗原に対する抗体(HBs抗体)の検査
B型肝炎ウイルス表面抗原に対する抗体(HBs抗体)の検査では、文字通り抗体の検査をおこないます。
検査の結果が陽性である場合は、B型肝炎ウイルスが排除されている、またはB型肝炎ワクチンを接種していることになります。
いずれにせよ、B型肝炎に免疫をもっているため、感染性はありません。
B型肝炎ウイルスコア抗原に対する抗体(HBc抗体)の検査
B型肝炎ウイルスコア抗原に対する抗体の検査は、感染や治療経過を判断する検査です。
HBs抗原が陽性であり、HBc抗体が陽性の場合は、持続感染を示しています。
検査キットは自身で購入可能
B型肝炎の検査で、病院等に行くのに抵抗がある方は、自分でおこなえる検査キットを使ってみましょう。
男性であれば血液と尿の検査キット、女性であれば血液と膣分泌物の検査キットなどがあります。
商品によって異なりますが、1万円ほどで購入できます。
検査は自宅でおこない、検査物の返送のみで結果がわかります。
さいごに|キスや性行為でB型肝炎に感染したかもと思ったら相談を
パートナーとのキスや性行為でB型肝炎の可能性があると感じたら、一度検査を受けておきましょう。
同時に弁護士への相談も検討してください。
B型肝炎に感染した場合はB型肝炎給付金を受け取れる可能性があります。
ご自身で手続きをおこなうと時間も手間もかかりますので、早い段階での相談をおすすめします。