B型肝炎ウイルスの給付金には、請求期限があります。

現在の請求期限は、2027年3月31日となっていますが、給付金を請求するための訴訟準備には時間がかかります。

次のような疑問を解消して、早めに手続きを開始しましょう。

  • B型肝炎給付金を受け取るための請求期限はいつまで?
  • 請求期限を過ぎるとどうなるの?請求後に症状が悪化した場合は?
  • 手続きを弁護士に相談・依頼するメリットは?

本記事では、B型肝炎の給付金を受け取るための請求期限、請求期限内でも早めに手続きを開始すべき4つの理由、弁護士に相談・依頼するメリットなどを解説します。

B型肝炎訴訟の手続きを検討している方はぜひ参考にしてください。

B型肝炎なら弁護士に無料で相談
この記事を監修した医師
福地 裕三(にじいろクリニック新橋)
にじいろクリニック新橋の院長の福地です。性感染症を中心にED、AGA、ピルなどの処方も行う自由診療のクリニックになります。患者様1人1人、必要な検査は異なりますしエビデンスのある治療を行う必要があります。正しい情報を提供するとともに解決策を見つけ出してご提案いたします。

B型肝炎給付金を受け取るための請求期限

B型肝炎給付金を受け取るためには、請求期限までに給付金を請求する訴訟を提起しなければなりません。

現在のB型肝炎給付金の請求期限は、2027年3月31日です。

請求期限は、延長を繰り返しながら現在の期限に設定されています。

ここでは、請求期限が延長されてきた歴史と、請求期限を過ぎた場合にどうなるかについて解説します。

請求期限は繰り返し延長されている

B型肝炎給付金の請求期限は、「B型肝炎給付金感染者給付金等の支給に関する特別措置法」(以下、「特別措置法」といいます。)によって定められています。

特別措置法が施行されたのは、2012年1月13日です。

施行当初の請求期限は、施行から5年後の2017年1月12日に設定されていました。

しかし2016年8月1日、2021年6月18日と請求期限は度々延長され、最終的に現在の2027年3月31日に設定されています。

延長の理由は、いまだにB型肝炎訴訟について多くの未提訴者がいると考えられており、未提訴者に配慮するためです。

特別措置法が制定された当初、国では、対象者を最大約45万人と見込んでいました。

しかし、2020年10月末時点での提訴者は、約8万2千人で、まだまだ多くの未提訴者いることがわかっています。

今後、未提訴者の数が少なくなってきた段階で、期限の延長はなくなることが想定されます。

そのため未提訴者の方は、できる限り早めの手続きをおすすめします。

参考:特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法の一部を改正する法律案の概要|法務省

請求期限を過ぎると給付金は一切受け取れない

B型肝炎給付金は、請求期限を過ぎると一切受け取れなくなります。

B型肝炎給付金の請求根拠は、国の予防接種によってB型肝炎ウイルスに感染したことに対する損害賠償請求です。

本来、損害賠償請求権は、長くとも注射の時点から20年間の経過によって消滅します。

20年が過ぎても、B型肝炎給付金を請求できるのは特別措置法があるからです。

B型肝炎給付金は、特別措置法を前提として請求できるものなので、特別措置法が定める請求期限を過ぎると給付金は一切受け取れなくなってしまうので要注意です。

請求期限内でも早めに手続きを開始すべき4つの理由

B型肝炎給付金の請求は、請求期限内でも次の4つの理由から早めに手続きを開始すべきです。

  • 請求のための訴訟準備には時間がかかる
  • 除斥期間の経過で受け取れる金額が減額される
  • カルテの保管義務は5年間しかない
  • 母子感染でないことの証明ができなくなる可能性がある

請求を後回しにしていると、給付金を受け取れなくなったり、受け取れる給付金の額が減ってしまったりする可能性があります。

以下では、それぞれの理由について詳しく解説します。

請求のための訴訟準備には時間がかかる

B型肝炎給付金の請求期限は、訴訟を提起するまでの期限です。

訴訟を提起するには、訴状に添付するさまざまな資料を揃えなくてはなりません。

揃えなければならない資料の例としては、次のようなものが挙げられます。

  • 本人と母親の血液検査結果報告書
  • 母子健康手帳
  • 病態に係る診断書
  • 予防接種を受けたことの証明書
  • カルテ
  • 戸籍

各資料は、所定の手続きを経なければ入手できないものが多いです。

そのため、全ての資料を揃えるには相当の時間がかかります。

訴訟提起を弁護士に依頼する場合でも、少なくとも3か月程度がかかるでしょう。

請求期限の直前になって準備を始めても、資料を揃えきる前に請求期限が過ぎてしまいます。

訴訟準備の時間も考慮して、早めに手続きを開始するようにしてください。

除斥期間の経過で受け取れる金額が減額される

B型肝炎給付金は、症状に応じた金額が設定されています。

ただし、死亡や症状の発症などから20年を経過した場合には、給付金の額が減額されるので注意が必要です。

本来、損害賠償請求権は、発生から20年を経過すると消滅します。

これを除斥期間と言います。B型肝炎給付金については、被害者を救済する観点から除斥期間が経過しても請求権は消滅しません。

しかし、もらえる給付金の金額は、除斥期間を経過する前よりも減ってしまいます。

たとえば、B型肝炎で死亡した場合の給付金の金額は3,600万円ですが、死亡から20年を経過すると900万円に減額されてしまいます。

請求期限内であっても、除斥期間を経過すると給付金の金額が減額されてしまうので、早めに手続きを進めるようにしましょう。

カルテの保管義務は5年間しかない

医師法では、カルテの保管義務は5年間とされています。

実際は、5年を超えてもカルテを保管している病院もありますが、すぐに破棄されてしまう可能性もあります。

カルテは、B型肝炎訴訟を提起するのに欠かせない資料です。

カルテが破棄されると、訴訟において給付金の受給要件を証明できなくなってしまう可能性があります。

本人や母親が亡くなっている場合や、症状が治まっている場合などは、検査をし直しても、受給要件を証明するカルテを作成することはできません。

カルテを破棄されたことで受給要件を証明できなくなると、給付金を一切受け取れなくなってしまう可能性すらあります。

カルテの破棄を防ぐためにも、早めに手続きを開始しましょう。

母子感染でないことの証明ができなくなる可能性がある

給付金の受給要件には、「B型肝炎の一次感染者が母子感染でないこと」という要件があります。

母子感染でないことの証明には、母親や兄弟の血液検査結果報告書が必要です。

母親や兄弟が亡くなってしまった場合には、一次感染者が母子感染でないことの証明ができなくなる可能性があります。

血液検査結果を用意できなくなる前に、早めに手続きを進めるようにしましょう。

症状が悪化した場合は追加の給付金を請求できる

B型肝炎給付金を受け取ったあとで、病状が悪化した場合には追加の給付金を請求できます。

早めの手続きをためらう方の中には、「症状が悪化したら受け取れる給付金の額が減ってしまうのでは」と心配されている方もいらっしゃるでしょう。

しかし、症状が悪化した場合には、悪化した後の症状で受け取れる給付金の額から受け取り済の給付金の額を差し引いた額の給付金を受け取れます。

たとえば、軽度の肝硬変で2,500万円を受け取っていた人が、症状の悪化で重度の肝硬変となってしまった場合には、追加で1,100万円の給付金を受け取ることができます。

重度の肝硬変の給付金の額は、3,600万円です。

当初の給付金と追加の給付金の額を足すと、悪化した後の症状で受け取れる給付金の額と同額になります。

症状が悪化した場合でも、追加の給付金によって、全体として受け取れる金額が減ることはありません。

追加給付金の請求期限

追加給付金の請求期限は、追加の給付金を受け取れることを知ってから(症状の悪化を知ってから)5年以内です。

追加の給付金については、B型肝炎給付金の請求期限を経過した後でも請求できます。

B型肝炎給付金の請求を弁護士に相談・依頼するメリット

B型肝炎給付金の請求をするには、弁護士に相談するのがおすすめです。

弁護士に相談・依頼するメリットとしては、次の3点が挙げられます。

  • 訴訟のタイミングや流れについて相談できる
  • 手続きをスムーズに進められる
  • 専門的知識に基づく適切な主張・立証ができる

以下、それぞれのメリットについて詳しく解説します。

訴訟のタイミングや流れについて相談できる

B型肝炎訴訟は、訴訟を提起するタイミングによって給付金の金額が変わる可能性もあります。

また、資料の準備から実際に給付金を受け取るまでには少なくとも1年以上の期間がかかるため、本人が訴訟の見通しを立てるのは難しいです。

弁護士に相談すると、請求期限や除斥期間を考慮して、訴訟を提起する適切なタイミングを知ることができます。

経験の豊富な弁護士であれば、資料の状況から訴訟の流れや解決までにどのくらいの時間がかかるかの見通しも教えてくれるでしょう。

弁護士に依頼すれば、訴訟のタイミングや流れについて不安なく手続きを進められます。

手続きをスムーズに進められる

B型肝炎訴訟の資料収集や訴状の作成は、時間のかかる作業です。

作業に慣れていなければ、時間をかけても終わらないことすら考えられるでしょう。

弁護士に手続きを依頼すれば、大半の内容を弁護士に任せられるため手間なく手続きを進められます。

病院での診断など、本人がおこなわなければならない事項についても、弁護士の助言を受ければスムーズに手続きを進められます。

専門的知識に基づく適切な主張・立証ができる

B型肝炎訴訟の手続きでは、裁判官や国の指示・主張に合わせて、適切な主張・立証をおこなう必要があります。

裁判官の指示に適切な対応ができなかったり、国の主張に反論できなかったりすると、本来認められるはずの請求が認められないことすらあるでしょう。

弁護士に手続きを任せれば、専門的知識に基づく適切な主張・立証ができるため、不安を感じる必要がなくなります。

B型肝炎給付金の請求を弁護士に依頼する費用

弁護士の費用は、次の3つに分けられています。

  • 相談料
  • 着手金
  • 報酬金

B型肝炎給付金の弁護士費用については、相談料と着手金を無料としている法律事務所が多くあります。成功報酬については、給付金の8.8~17.6%程度が相場となっています。

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼する場合、給付金の額の4%について補助を受けられます。

そのため、実質的な弁護士費用は、給付金の11%~16%程度となることが多いです。
なお、訴訟資料を集めるための費用や、訴訟提起のための収入印紙代などの実費は、弁護士費用とは別で負担する必要があります。

さいごに|B型肝炎給付金の請求は早めに弁護士に相談を

B型肝炎給付金の請求期限は、2027年3月31日です。

しかし、請求期限まで余裕がある場合でも、手続きは早めに開始することをおすすめします。

請求期限の直前になると、訴訟の提起が間に合わなかったり、受け取れる金額が減ってしまったりする可能性があります。

請求の手続きが面倒、難しいなどの理由で進められない場合には、弁護士に相談・依頼するのがよいでしょう。

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